少年院の発達障害支援を強化 法務省、処遇指針改定へ
法務省は17日までに、発達障害がある少年院の在院生の支援を強化すえうため、2016年に策定した教員向けの処遇ガイドライン(指針)を来年度のも改訂する指針を固めた。発達障害や虐待などの影響で成長に課題のあるものの、適切なサポートがなく、非行に及んだ少年は少なくない。新たな方針では、個々の特性に応じた指導をより充実させて成長を促し、退院後、円滑に社会生活になじめるようにする。
関係者によると、現状の指針は、例えば自閉症スペクトラム障害(ASD)は「相手の気持ちを読み取ることが苦手」など、発達障害ごとの特性を解説。周囲に理解されず、ストレスから非行に走りやすいとし、本人の強みを伸ばす指導が有効だといった基本姿勢を示している。
改定では、障害の理解を深めすことを主眼とした現行版から踏み込み、成長につながる効果的なコミュニケーション方法を、少年の変化に結び付いた働きかけの実例を挙げ紹介する。少年院で、外部専門家が少年の話に耳を傾け、助言する「発達相談」の成果を反映する。
2023.9.17 信濃毎日新聞 デジタル
筆者のつぶやき
目で見て判断することの難しい発達障害。2007年(H19 )4月から、「特別支援教育」が学校教育法に位置付けられ、従来の特殊教育の対象障害に、知的の遅れのない発達障害も含めて、特別支援学校に限らず、すべての学校において、障害のある幼児児童生徒の支援をさらに充実していくこととなりましたが、実際にはこの時はまだ多くの人に認知させていませんでした。筆者は短期大学を卒業後、保育士になり加配保育士の経験があります。自閉症児の担当で、障害について無知のまま先輩保育士や研修会、専門誌を読んだり、自主的にセミナーなどに参加して試行錯誤しながら教育に携わっていました。当時は、発達障害という言葉すら周知されておらず、自閉症児と関わる毎日は驚きの連続でした。保護者の方も初めての出産に、始めての子育て、周りの子どもと比較すると胸が苦しくなったと思います。お迎えの際に話をすると、切ない思いが溢れて泣いてしまう場面が幾度もあり、それにつられて私も泣いていました。まだ新任で右も左も分からなかった筆者は、保護者の思いを聞いて寄り添うことしかできませんでした。その3年後には自身も一児の母になり、小学3年生の時に発達障害の診断を受け絶望とホットした複雑な思いをしたことを思い出します。息子の同級生のお母さんには「親の育て方が悪いからトラブルばかり起こすんだよ」「〇〇君とは遊んではいけない」と面と向かって言われたこともあります。子どもが発達障害を持って生まれてくることは、先天性の脳の問題なので、子どもも親も悪い訳でなく、特性を持って生まれてきただけなのです。障害を診断された保護者の心理はとても複雑で障害を受容するまでに多くの歳月がかかり、自分を責めたり、子どもを責めたりと様々な思いを抱きながら少しずつ受容していくのです。私も当事者になってやっと、保育士時代の保護者の気持ちが分かりました。現在、愛知教育大学で修士課程のガバナンスについて研究を進める傍ら、教職大学院の特別支援コースで発達障害について科目履修生として学ばせて頂いています。今後、大学院で得た知識を基に、障害で悩んでいる保護者や当事者、周囲の障害について無知な方々に向けて啓発活動を行っていきたいです。確かな知識を得ることで、上記のような発達障害を持つ方が非行に走らずに幸せに暮らせる世の中になって欲しいと願っています。